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外の世界の話を聞かせて

外の世界の話を聞かせて

江國 香織 集英社 2026年2月26日

感想

ベストセラーランキングで見かけて手に取ったこの本、期待以上の世界観に引き込まれました。 南天文庫という私設図書館を舞台に、そこに関わる人たちの人生が静かに、でも確かに重なっていく様が本当に素敵です。高校生の陽日とあやめさんの対話を中心に、インドネシアの農園から斎場まで、様々な場所と時間が織り交ざっていく構成が巧みで、読むたびに「隙間の場所」の魅力に気づかされます。 エンジニアの仕事をしていると、日々は効率性の追求ばかりなので、この物語のゆっくりとした時間の流れ方がとても心地よかったです。誰かに「外の世界のことを話して」と言われるあの感じ、わかる気がします。 各章が独立した物語のようでありながら、全体で一つの大きな物語になっていく。そういう綿密な構成が好きな方なら絶対気に入ると思いますよ。ちょっと不思議で、少し切なくて、でも温かい。そんな読後感が残る良い作品です。

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