エピクロスの処方箋
水鈴社 | 2025/09/29
みんなの感想
『スピノザの診察室』の続編ということで、期待値高めで手に取りました。正直、前作未読だったんですが、この本は単体で十分楽しめます! 医師である主人公が患者と向き合う中で、医学だけじゃなくて人生哲学的なテーマに直面していく──そういう設定だけで既に興味深いのに、実際に読んでみると本当に引き込まれます。重たいテーマを扱ってるはずなのに、妙に読みやすくてサクサク進むんです。 特に良かったのは、登場人物たちの思考が深掘りされているところ。医療の限界や人間の幸福について考えさせられるし、それでいて説教臭くない。会社で疲れた日の夜に読んでも、ちゃんと考えさせられるけど気持ちが沈まない、そんなバランスの取れた作品です。 哲学エンタメシリーズって銘打ってるだけあって、知的興奮と物語としての面白さが両立してるのが素敵。映画化決定というのもうなずけます。続きが気になるし、今度は前作も読んでみようかな。
前作『スピノザの診察室』が良かったので、期待して手に取りました。医師でありながら哲学的に人の生と死を問い続ける主人公の姿勢は興味深いのですが、今回はその思想がやや前に出すぎていて、物語としての流れが少し窮屈に感じてしまいました。 患者さんとの関わりを通じて人生について考える場面は素敵なのですが、会話が哲学的な議論に偏ってしまい、もう少し人間らしい温かみが欲しかったというのが正直なところです。気軽に読むエッセイのような楽しみを求めていた私には、思想的な重さが前回以上に強くなっていて、読み進むのに少し疲れてしまいました。 エンターテインメント作品としての魅力も前作にはあったのに、今回はそのバランスがうまく取れていないように思います。だからこそ余計に残念で、続きを読む気はあるのですが、もう少し肩の力を抜いて、登場人物たちの人間的な部分にも光を当てていただきたかったという感じです。
前作『スピノザの診察室』が面白かったので、続編が出たと知って即座に手に取りました。 医師である主人公が患者と向き合う中で、医学では解決できない人間の本質的な問題に直面していく。その葛藤の描き方が本当に上手いなと感じます。哲学的な問い掛けが随所に散りばめられているのに、決して難しくなく、むしろ読んでいて考えさせられる。仕事で疲れた脳にちょうど良い刺激になります。 エンジニアの仕事をしていても、解決できない問題ってありますよね。この本を読んでいると、そういう時にどう向き合うかのヒントが得られた気がします。「医療では人は救えない」というタイトルの言葉も、深く考えると何度も頭に浮かんできました。 シリーズ作品のようですが、本作だけでも十分楽しめます。エッセイのような味わいもあり、物語としても引き込まれる。気軽に読める小説を探している人にもおすすめできる一冊です。映画化も決定しているそうなので、どう表現されるのか見てみたい。
『スピノザの診察室』の続編ということで、さっそく手に取ってみました。前作を読んでいなくても十分楽しめるというのが本当で、医師・雄町哲郎という主人公のキャラクターにすぐに引き込まれてしまいます。 何より印象的なのは、「医療では人は救えない」というテーマの問い方です。医学の限界と人間の幸福について、哲学的に丁寧に考察されているのに、決してお堅くなく、人間ドラマとしての面白さが失われていない。これって本当に難しいバランスだと思うんです。 57歳になると、自分たちの親の世代の医療や死について考える機会が増えます。そういう時期だからこそ、この作品で描かれる「命とは何か」「幸福とは何か」という問いが、心にじんわり響いてきました。 映画化決定というのも納得です。この作品の持つ温かさと深さ、そして現役医師だからこそ書けるリアルな視点は、多くの人の心を揺さぶると思います。人生経験を積んだ今だからこそ読んで欲しい一冊です。