本男の本棚
感想

本屋大賞を受賞したというのだから、一度は読んでおかねばと思い手に取りました。正解でした。 中学校の教室という、誰もが経験した馴染みの場所を舞台にした事件。そこで次々と現れる証言者たちの口から、事実が層をなして明かされていく。このつくりの上手さには思わず引き込まれてしまいます。教師、生徒、親、犯人...立場ごとに違う真実が語られていく様は、人生経験を積んだ身としても興味深い。同じ事件でも見える景色がこんなに違うのか、という発見があります。 結末については、世間で議論を呼んだというのも納得。簡単には割り切れない、複雑な感情を残します。年を重ねると、善悪だけでは判断できない人間の営みが見えてくるものですが、そうした部分がうまく描かれていると感じました。 文庫で手軽に読める長さも良い。夜な夜な一気読みしてしまいました。息子や娘のいる親世代に、ぜひ読んでほしい一冊です。

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