斎藤の本棚
感想

話題沸騰中だったので、思い切って手に取ってみました。何しろ、このボリュームと複雑さは名高いですから。 読み始めてすぐに驚きました。四人の教授、チリ人哲学者、記者、捜査官たちが織りなす物語が、実に緻密に構築されているんです。一見バラバラに見える登場人物たちが、謎の作家アルチンボルディを中心に少しずつ繋がっていく快感。家事のかたわら、ついつい続きが気になって、深夜まで読み耽ってしまいました。 ボリャーニョの筆力は本当に見事。メキシコの国境の街で起きた連続殺人事件という重いテーマを扱いながらも、知的な興奮を失わない書き方。全米批評家協会賞を受賞したのも納得です。 ただ、正直なところ途中で何度も迷子になりそうになりました。登場人物の多さと物語の複雑さは、相応の集中力を要求します。でも、その困難さを乗り越えた先にある達成感は、何ものにも代え難い。話題作として、読んでおく価値は十分あります。

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