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ロベルト・ボラーニョ, 野谷文昭

出版社:白水社 出版年月日:2012/10/01

白水社 | 2012/10/01

3.50
本棚登録:5人

みんなの感想

話題の作品だから読んでみようと手に取りましたが、正直なところ途中で何度も読むのをやめようかと思いました。 物語の構造が複雑すぎるんです。次々と登場人物が増えて、それぞれの話が絡み合うのかと思いきや、なかなか繋がらない。歳をとると、こういう仕掛けの凝った小説は疲れてしまうんですね。もっとシンプルに楽しみたい気分の時に読むには向きませんでした。 それでも、書かれている一つ一つのシーン、特に登場人物たちの思考の深さには唸らされる部分はあります。文学教授たちが謎の作家を追い求める部分は興味深かったし、各地の描写も丁寧です。ただ、全体としてまとまった感動や納得感が得られないまま終わってしまった感じがします。 気軽に読みたい私のようなタイプには、ちょっと重すぎたかもしれません。評判の高い作品だから期待値も上がっていたのかもしれないですが、結局は相性の問題なんでしょう。長編を読み切るだけの根気と、複雑さを楽しむ余裕が必要な一冊だと思います。

教員をしていると、授業の準備で徹夜することも多いんですが、この本は本当に疲れた頭でも引き込まれてしまいます。いや、むしろ疲れているからこそ、この複雑に絡み合った物語世界に没入するのが気持ちいいんでしょうね。 四人の教授、哲学者、記者、捜査官…一見バラバラの登場人物たちが、謎の作家アルチンボルディを中心に繋がっていく。その構成の妙さに何度もうなりました。文学の教員としては、こういう仕掛けは本当に勉強になります。 ただ、素直に言うと分厚いし読みごたえがあるので、時間に余裕がある時に手を付けることをお勧めします。でも一度読み始めたら、止められませんよ。各章で視点が変わる楽しさもあるし、全部読み終わった後の余韻がたまりません。生徒にもいつか勧めたいな、と思う傑作です。

この本、ずっと気になっていたんです。全米批評家協会賞を受賞した話題作ということで、手に取ってみました。 正直なところ、最初は複雑な構成に戸惑いました。謎の作家アルチンボルディを追う四人の文学教授、メキシコの国境の街での事件、ボクシング記者の話…複数の物語が絡み合う形式は、最後までついていくのに根気が必要です。でも、読み進めるにつれて、著者がこの複雑さをわざと仕掛けているんだと気付きました。 ボルヘスやコルタサルといった難解な文学作品を好む私にとっては、この重層的な物語構造がむしろ魅力的。各登場人物の運命が徐々に交差していく過程は、本当に興味深い。特にメキシコの女性連続殺人事件の描写は、フィクションでありながら現実の問題へのしっかりした向き合い方を感じます。 ただ、700ページ近い大作であることは事実。仕事で疲れているときに読むには、かなりの集中力が必要です。でも、だからこそ読み終わったときの達成感があるんですよね。知的好奇心を満たしたい、挑戦的な読書がしたい時期に出会えた一冊です。

clwkct

自分が編集者だったら無数にあるエピソードの半分を削っていただろう。「野生の探偵たち」のほうがずっと面白かった。