本と珈琲の本棚
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ロベルト・ボラーニョ / 野谷文昭 白水社 2012年10月1日

話題の作品だから読んでみようと手に取りましたが、正直なところ途中で何度も読むのをやめようかと思いました。 物語の構造が複雑すぎるんです。次々と登場人物が増えて、それぞれの話が絡み合うのかと思いきや、なかなか繋がらない。歳をとると、こういう仕掛けの凝った小説は疲れてしまうんですね。もっとシンプルに楽しみたい気分の時に読むには向きませんでした。 それでも、書かれている一つ一つのシーン、特に登場人物たちの思考の深さには唸らされる部分はあります。文学教授たちが謎の作家を追い求める部分は興味深かったし、各地の描写も丁寧です。ただ、全体としてまとまった感動や納得感が得られないまま終わってしまった感じがします。 気軽に読みたい私のようなタイプには、ちょっと重すぎたかもしれません。評判の高い作品だから期待値も上がっていたのかもしれないですが、結局は相性の問題なんでしょう。長編を読み切るだけの根気と、複雑さを楽しむ余裕が必要な一冊だと思います。