斎藤の本棚
感想

話題になっていたので手に取ってみました。カルト教団という題材は確かに惹きつけられるし、著者の力量を感じさせる描写も随所にありますね。神や運命についての問い、教団による社会への影響といった大きなテーマに向き合おうとしている意欲は伝わってきました。 ただ、正直なところ、読み進めるのに相応の集中力が必要で、時間がかかりました。ボリュームがある分、すべてが均等に面白いとは感じられなかったというか。家事や日常の合間に読むには、ちょっと重いなという印象も。登場人物たちの運命が絡まり合う過程は興味深いのですが、中盤以降の展開では「ここまで深掘りする必要があるのか」と感じる部分も正直ありました。 最新作だからこその野心的な作品なのは理解できます。ただ、万人向けというわけではなく、この手の複雑でダークなテーマに没入できる読者向けかなという感じですね。話題性に惹かれて手を伸ばすなら、事前に心の準備をしておいた方がいいかもしれません。