感想
最近SNSで話題になっていたから手に取ったんですが、これは本当に面白かった。梶井真奈子という女性の存在感がすごい。表面的には単なるサスペンスかと思いきや、そこまで単純ではない。むしろ、この物語の中心にあるのは「欲望」と「女性らしさ」についての根本的な問いなんだと読み終わってから気づきました。 週刊誌記者の町田里佳の視点から物語が進んでいくんですが、梶井との関わりを深めるにつれて、里佳自身が変わっていく過程が秀逸です。その変化が違和感なく、かつ説得力を持って描かれているから引き込まれます。 フェミニズムとかマーガリンへの嫌悪とか、一見すると関連性のない要素が実は巧妙に物語に組み込まれていて、最後には全部が繋がる。こういう構成の巧さは久しぶりに感じました。主婦業をしていると、社会や女性の在り方について考える機会が多いんですが、この本はそうした問題を小説という形で深く問いかけてくる。いい意味で、読んだ後も考え続ける作品です。