斎藤の本棚
感想

話題になっていたこの本を、ようやく手に取ることができました。中学生の駅伝という題材は一見するとシンプルですが、読み進めるにつれてその奥深さに引き込まれます。 走ることが好きではないのに、駅伝は好き。この一見矛盾した心情が、実は多くの人の心に響く何かを秘めているんだと気づかされました。仲間と襷を繋ぐという行為のなかに、個人では成し遂げられない喜びや達成感がある。家事をこなしながら読んでいて、つい手が止まってしまう場面が何度もありました。 著者が描く中学最後の夏は、あの時期特有の迷いや不安、そして仲間への思いが本当にリアルです。寄せ集めのメンバーだからこその絆の深さ、頼りない先生との関係性も含めて、どの場面も心に残ります。最後まで読み終わったとき、清々しさとともに自分の中学時代を思い出していました。 近年の話題作の中でも、この清潔感のある青春小説は格別です。ぜひ多くの人に読んでほしい一冊です。

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