あと少し、もう少し

あと少し、もう少し

瀬尾まいこ / 瀬尾 まいこ

出版社:新潮社 出版年月日:2012/10/01

新潮社 | 2012/10/01

3.80
本棚登録:7人

みんなの感想

感想

駅伝という題材で、こんなに心が温まる物語が描けるんだなと驚きました。実は私自身、走るのは得意ではないので、最初は「自分に合うかな」と若干不安だったんですが、読み始めたら一気に引き込まれてしまいました。 物語の核となるのは、決して強豪チームではない中学生たちが、最後の駅伝に向けて奮闘する過程。個性的なキャラクターたちが、互いに支え合いながら前に進んでいく姿勢は、公務員生活を送る自分にも改めて考え直すきっかけをくれました。仕事でも「あと少し」という気持ちって大事なんだなって。 走ることへの複雑な感情を丁寧に掘り下げながらも、全体的には清々しく爽やかな読後感。青春小説というと少し照れ臭い感じもありますが、大人が読んでもしっかり響く深さがあります。気軽に手に取った本でしたが、気づいたら一気読みしていました。夏場に読むのに特におすすめです。

感想

駅伝を題材にした青春小説ということで、夏休みの合間に軽く読んでみました。中学生たちが襷を繋ぐという設定は悪くなくて、最初は引き込まれたんですよ。でも読み進めるにつれ、なんだか薄っぺらく感じてしまって。 キャラクターの掘り下げが浅いというか、個性が立ってないんです。誰が誰だか区別つきにくい場面も多くて、そこが一番もったいないなと思いました。駅伝という題材なら、各走者の背景や葛藤をもっと丁寧に描いて欲しかった。アンカーの心情とかね。 あと、メッセージ性が前面に出すぎている感じがしてます。「仲間と頑張ることの大切さ」的な教訓が、やや押し付けがましく感じられました。もう少し自然に物語に溶け込ませられたら、ぐっと良くなったと思う。 三十代のおっさんには、ちょっと予定調和に見えてしまいました。悪い本じゃないんだけど、心に残るものがあまりなかったのが残念です。

感想

全校生徒が150人ほどの山奥の中学校 秋に行われる駅伝大会に出場するために 寄せ集められた中学生達。 陸上のことなど全くわからない美術教師が顧問。 問題山積の中子供たちはそれぞれに自分と向き合い 仲間を信じてたすきをつないでいく。 三浦しをんの「風が強く吹いている」は大学生 佐藤多佳子の「一瞬の風になれ」は高校生 どちらも大好きな小説だった。 そして、この「あと少し、もう少し」も 中学生達の描写が生々しいぐらいにリアルで 深く頷くこと多し!だ。 1区から6区までの6区間、6人の思いが一区間ずつ 語られる。 ベタな展開の部分もあるし、それほど特別でもない 普通の中学生の話でもある。 でも、そこが良いのだ。  誰しもが覚えがあるあのどことなく窮屈で不自由な 感じ。 大人でもない、でも子供でもない 中途半端な年頃。 「昔、先生が言ってたんだ、中学校っていくら 失敗してもいい場所なんだって 人間関係でも勉強でもなんだって好きなだけ失敗 したらいいって。こんなにやり直しがききやすい 場所は滅多にないから。」 頼りなげな上原先生がとても良いアクセントに なっています。 とにかく無理矢理感がなくてリアルな中学生達が うまく描かれています。 変にお涙頂戴にもならず、結構あっさりしている ところもあったりして・・・ あと少し、もう少しみんなと走りたいから。 青春だなー。

感想

青春小説の王道を往く一冊だと思いました。中学生の駅伝を通じて、チームワークや個人の成長を描いているという点では、確かに心温まる設定です。読んでいて「ああ、こういう話か」という安心感はありました。 ただ、正直なところ個性に欠けるという印象が拭えません。各キャラクターの背景描写や心理描写は丁寧なのですが、どうしても既視感が残ってしまう。エンジニアという職業柄、「この物語でしか表現できない何か」を求めてしまう癖があるのかもしれませんが、もう少し踏み込んだ人間ドラマがあれば、より深く没入できたと感じます。 文章自体は読みやすく、駅伝という題材を活かした緊張感のシーンもしっかり機能しています。ただし、全体的には「良い子向けの清廉な物語」という枠を超えられていないような気がします。悪くない作品ですが、強く記憶に残るほどの何かがあるかというと、そこは疑問です。成長段階の若い読者には響く作品かもしれませんね。

感想

話題になっていたこの本を、ようやく手に取ることができました。中学生の駅伝という題材は一見するとシンプルですが、読み進めるにつれてその奥深さに引き込まれます。 走ることが好きではないのに、駅伝は好き。この一見矛盾した心情が、実は多くの人の心に響く何かを秘めているんだと気づかされました。仲間と襷を繋ぐという行為のなかに、個人では成し遂げられない喜びや達成感がある。家事をこなしながら読んでいて、つい手が止まってしまう場面が何度もありました。 著者が描く中学最後の夏は、あの時期特有の迷いや不安、そして仲間への思いが本当にリアルです。寄せ集めのメンバーだからこその絆の深さ、頼りない先生との関係性も含めて、どの場面も心に残ります。最後まで読み終わったとき、清々しさとともに自分の中学時代を思い出していました。 近年の話題作の中でも、この清潔感のある青春小説は格別です。ぜひ多くの人に読んでほしい一冊です。

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