終末のフール

終末のフール

伊坂 幸太郎

出版社:集英社 出版年月日:2009/06/01

集英社 | 2009/06/01

4.00
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

話題になっていたので気になって手に取ってみたんですが、これは本当に深い作品ですね。地球滅亡という極限の状況下で、普通の団地に住む人々がどう向き合うのかという設定だけでも惹かれるのに、読んでみると想像以上に人間らしい物語たちが詰まっていました。 連作形式になっているので、同じ背景のなかでも、登場人物によってこんなに違う人生の向き合い方があるんだなって。愛する家族との関係、仕事、人間関係…限られた時間の中で何を大切にするのかという問いが、読んでいて自分の日常にも返ってくるような感覚があります。 主婦をしていると、つい日々の家事や家族のことに追われてしまいますが、この本を読むと改めて「今この瞬間をどう生きるのか」が本当に大切なんだと気づかされる。決して暗い話ではなく、むしろ人間の底力とか優しさが光っているところが素晴らしい。 話題作というだけじゃなく、本当に価値のある一冊だと思います。時間がある時にゆっくり読んでほしい、そんな作品です。

感想

地球滅亡まであと3年という世界設定を聞いた時点で、どうしても読みたくなりました。そういう極限の状況で人間ってどう行動するんだろう、という素朴な疑問への答えがここにあるんじゃないかって。 読んでみると、思ったより絶望的ではなくて、むしろ人間らしさに満ちた話ばかり。仙台の団地に住む様々な人たちが、滅亡という共通の危機に直面しながらも、それぞれ別の人生を生きている。家族との関係、隣人との距離感、仕事や恋愛に対する向き合い方—日常のもめごとや喜びが、却ってこんな時だからこそ輝いて見える不思議さ。 各編が連作になっているので、違う視点から同じ世界が映っていくのが面白かったです。大学院の論文に疲れた頭で読むのにちょうどいい、程よい重さの短編集。重いテーマなのに、ページをめくる手が止まりませんでした。「限りある生」って、実は今この瞬間のことなんじゃないか—そんなことを考えさせられる一冊です。

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