カウンセリングとは何か 変化するということ

カウンセリングとは何か 変化するということ

東畑 開人

出版社:講談社 出版年月日:2025/09/18

講談社 | 2025/09/18

4.33
本棚登録:6人

みんなの感想

感想

新社会人として組織に入り、人間関係の複雑さに向き合う中で、この本に出会えたのは幸運だった。カウンセリングという一見すると限定的なテーマながら、著者は臨床心理学の歴史を縦軸に、複数の心理学派を横軸に据えることで、驚くほど広がりのある視点を提供している。 特に印象的だったのは、カウンセリングが単なる「聞く」行為ではなく、身体、世界観、視点といった多次元での介入であることの説明だ。机上の理論に終わらず、実践的な枠組みが示されている点が優れている。また、「生き延びることと生きることの違い」という二項対立は、人生設計について深く考えさせられた。 新書という限られた紙幅の中で、これだけの密度で心理学の全体像を俯瞰できる本は稀だ。理論的な厳密さを保ちながらも、読者の人生に直結する問いが随所に織り込まれており、まさに新書大賞受賞にふさわしい仕上がりになっている。新社会人だからこそ読むべき、人生の根本的な問題に向き合える良著だ。

感想

新書大賞を受賞したこの一冊、話題になるのも納得です。心理学の歴史をきちんと整理しながら、カウンセリングという営みの本質に迫る内容に引き込まれました。 管理職として人と関わる機会が多い身からすると、特に印象的だったのは「聞くだけではない」というアプローチです。身体を動かす、視点を変えるといった五つの介入方法が、これまでのカウンセリング観をいい意味で更新してくれます。精神分析からユング心理学、認知行動療法まで、バラバラに存在していた心理学の諸派をメタ的に俯瞰する視点も秀逸でした。 「生活を守ること」と「人生をちゃんと生きること」という二つのゴールの設定も、実務的でありながら深い問題提起を感じさせます。現代人が直面する葛藤が、ここに凝縮されているようです。 新書とは思えない密度と思想的な重みがありながら、読みやすさも保たれています。心理学に関心がある方はもちろん、人間関係や自分の人生の歩み方について考え直したい方にも強くお勧めできる一冊です。

感想

新書大賞受賞というタイトルに惹かれて手に取った一冊ですが、期待以上の充実度でした。 著者は心理学の諸派閥を俯瞰的に整理しながら、カウンセリングという営みの本質に迫っています。精神分析からユング、認知行動療法に至るまで、一見バラバラに見える心理学的アプローチの共通項を示すこの「メタな視点」は、エンジニアである私にとって特に腑に落ちました。複雑なシステムを統一的なフレームワークで捉える感覚に近いのです。 また、「聞くだけではない」というカウンセリング観も新鮮でした。身体を動かす、視点を変えるといった能動的な介入の重要性が丁寧に説かれており、単なる理論書ではなく、実践的な洞察に満ちています。 特に心に残ったのは、生存と生き方という二つのゴールの設定です。現代人が直面する課題をここまで明確に言語化した著作は稀です。人間関係の複雑さに直面する機会の多い社会人にとって、必読の一冊だと感じます。

感想

新書大賞受賞という話題性に引かれて手に取ったが、期待以上の収穫があった。管理職として部下の人間関係や心理的な課題と向き合う機会が多いなかで、この本が示すカウンセリングの本質が実務的に役立つ。 従来、カウンセリングは「傾聴」という受動的イメージを持っていたが、本書が強調する「5つの介入」という考え方は目からウロコだ。身体や視点の変化を促し、クライアントを能動的に動かすアプローチは、組織内の問題解決にも応用できる視点がある。 特に印象的だったのは「生き延びることから、ちゃんと生きることへ」という二層のゴール設定である。これは個人の心理臨床だけでなく、企業のメンタルヘルス施策や人材育成においても重要な視点だろう。臨床心理学の複数の流派を俯瞰しながら、メタレベルの原論を立てる構成も秀逸で、理系的な思考を持つ人間としても納得できた。 話題性で始まったが、実務的な価値と理論的な深さの両立。経営層や人事担当者にも強く勧めたい一冊だ。

感想

# 人生を「変化させる」ことの本質に触れた一冊 新書大賞受賞作ということで期待して手に取りましたが、その期待を十分に満たしてくれました。 カウンセリングを単なる「悩み相談」ではなく、人生そのものを変化させるプロセスとして捉える視点が非常に新鮮です。精神分析からユング心理学、認知行動療法まで、これまでバラバラに学んできた心理学の諸派を統合的に理解できるフレームワークが示されている点が特に秀逸。主婦として家族の人間関係に悩むことも多い身としては、「生活を守ること」と「人生をちゃんと生きること」という二つのゴールの区別が心に響きました。 ただ新書という限られた紙幅の中で、理論の深掘りが若干物足りない箇所もあります。もっと具体的な事例やカウンセリングの現場の描写があれば、より腑に落ちやすかったかもしれません。とはいえ、現代を生きる私たちにとって「変わること」の意味を改めて問い直させてくれる良書です。人生について真摯に考える人には、ぜひ読んでほしい一冊。

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