読書好きおじさんの本棚
無人島に生きる十六人

無人島に生きる十六人

須川邦彦 新潮社 2003年7月1日

感想

話題の冒険譚ということで手に取った一冊ですが、これは本当に実在した事件に基づいているというから驚きです。明治時代の日本人16人が無人島で過ごした日々の記録だなんて、今時のフィクションよりよほどドラマティック。 最初は「こんな状況で本当に助かるの?」と半信半疑でしたが、読み進むうちに彼らの工夫と絆に引き込まれました。飲み水の確保、火をおこすこと、島の資源をどう活かすか——こうした普遍的な課題に直面する人間の知恵と行動力って、時代を超えて素晴らしいんですね。物資不足の中でも海亀牧場を作ったり、見張り櫓を建設したりと、彼らの前向きさに何度も励まされました。 文体も読みやすく、登場人物たちの個性が生き生きと伝わってきます。仕事に疲れた夜、こういう人間ドラマを読むのは心が潤う感じがします。ただ、もう少し詳しく知りたかった部分もあるので、星は4つで。歴史冒険小説ファンはもちろん、人間の強さを感じたい時期にぜひ手にとってほしい一冊です。