読書好きおじさんの本棚
六人の嘘つきな大学生

六人の嘘つきな大学生

浅倉 秋成 KADOKAWA 2021年3月2日

感想

本屋大賞ノミネート、各ランキングで話題沸騰中との触れ込みに惹かれて手に取った一冊です。 IT企業の最終選考に残った六人の就活生が、一カ月という期限の中で与えられた課題に取り組む—シンプルながら、その背後に隠された複雑な人間関係と思惑が絡み合う構成が見事です。登場人物たちが本当に「嘘つき」なのか、それとも何か別の事情があるのか、最後まで気が抜けません。 仕事で人材採用に関わる身として、リアリティある部分と「こんなことあるか」と苦笑する部分が入り混じっていて、その落差も楽しい。各人物の視点が交錯するミステリー展開は、このジャンルとしてしっかり完成度が高いと感じました。 ただ、後半に向けてのページ数配分がやや気になり、もう少し余韻を持たせてほしかった場面もあります。それでも、トレンドのミステリー作品を読みたい方には間違いなくおすすめできる、充分な魅力を備えた作品です。職場の同僚たちにも薦めたくなりました。