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感想

話題作だというので手に取ってみた。正直なところ、80歳の身には主人公の若い世代の悩みがどこまで腑に落ちるか不安だったが、読み始めたら一気に引き込まれてしまった。 「普通」とは何か——これはね、長く自営業をやってきた身として、実に考えさせられるテーマだ。主人公がコンビニという場所で「歯車になれる」という感覚を求める心情は、人生の中で役割を求め続けた我々の世代にも通じるものがある。36歳でバイト生活を続ける女性の話なのに、なぜか自分の人生も問い直させられるのだから、著者の力量はただごとではない。 何より素晴らしいのは、この小説が説教的でなく、ユーモアを保ちながら現代を問うている点だ。世界的に評価されているというのも納得できる。文庫版で軽く読めるボリュームというのも、老眼の身には助かる。若い世代の価値観を知りたい向きにも、人生観を問い直したい向きにも、この一冊は確実に何かを与えてくれるだろう。

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