莉子の本棚
人生地理学(5)

人生地理学(5)

牧口常三郎 聖教新聞社 1980年1月1日

感想

長年ボランティアの活動をしていると、人生とは何か、地域とはどのような意味を持つのかといった問題についてよく考えるようになります。この「人生地理学」シリーズの第5巻は、そうした問い合わせに対して、実に丁寧で誠実な向き合い方を示してくれた一冊です。 著者の論考は決して難しくなく、むしろ私たちの日常生活の中にある様々な気づきが、いかに深い意味を持つのかを教えてくれます。地理的視点から人生を見つめ直すというアプローチは新鮮で、読み進めるたびに、自分自身がこれまで生きてきた場所や時間について改めて想いを巡らせることができました。 慎重に本を選ぶ習慣がある私ですが、このシリーズの評判を聞いて手にしたことは正解でした。人文学の領域として落ち着いた語り口で、けれども心に残る言葉がそこここに散りばめられています。人生の後半にある者として、これまでとこれからについて静かに考えたい時に、大切な手引きとなるでしょう。同年代の方はもちろん、人生について真摯に考えたい全ての方に、心からお勧めしたい一冊です。