莉子の本棚
日本幻想文学集成(15)

日本幻想文学集成(15)

国書刊行会 1992年11月1日

感想

国書刊行会の幻想文学集成シリーズは、長年愛用させていただいており、この第15巻も期待を裏切りませんでした。 精選された作品たちが、どれも丁寧に編まれています。昔読んだ懐かしい作品との再会もあれば、初めて出会う才能溢れる筆者の作品もあり、読み進むたびに新しい発見がありました。幻想文学という枠組みながら、どこか現実の奥底に潜む人間の心情や、時代の空気を巧みに捉えた表現が素晴らしい。年を重ねてから読むと、若い頃には気付かなかった味わいが一層引き立つように感じます。 装丁も上質で、手に取る喜びがあります。ボランティアの合間に少しずつ読み進めるのに、この厚さと重さもちょうど良い。各作品の解説も親切で、背景知識がなくても安心して楽しめました。文学好きの方には特にお勧めしたい一冊です。迷われている方がいたら、どうぞ手に取ってみてください。