俺たちの箱根駅伝 上

俺たちの箱根駅伝 上

池井戸 潤

出版社:文藝春秋 出版年月日:2024/04/24

文藝春秋 | 2024/04/24

3.33
本棚登録:5人

みんなの感想

感想

箱根駅伝についての本というので、興味深く手に取りました。池井戸潤さんの作品は以前も読んだことがあり、期待を込めて読み始めたのですが、正直なところ可もなく不可もない、という印象に落ち着いてしまいました。 お話の筋立ては分かりやすく、選手たちの苦労や葛藤についても丁寧に描かれています。ただ、私のような年代の読者にとっては、若い世代の激しい競争や心理描写が少し複雑に感じられる部分も。一方で、テレビ局の制作現場のくだりは、メディアの舞台裏が垣間見えて興味深いですね。 上巻ということで、物語がまだ展開途上のせいか、引き込まれるほどの興奮までには至りませんでした。もっともっと深く登場人物に感情移入できれば良かったのでしょうが。下巻を読むべきか、正直迷っています。ドラマ化も決定しているそうですので、本より映像の方がこの物語の良さを引き出すかもしれないな、と感じています。

感想

池井戸潤の新作と聞いて、また話題の本が出たのかと手に取った。箱根駅伝という題材は確かに興味深いし、ドラマ化決定という帯も目に入ってくる。 ただ率直に言うと、期待していた以上のものは感じられなかった。駅伝という競技の熱さや、若い選手たちの青春ドラマとしての要素は十分に描かれている。それでも何かが足りない。もう何十年も生きてくると、こういう熱血スポーツ青春小説に深く没入するのは難しくなるのかもしれない。 テレビ局の編成サイドの描写も入ってくるようだが、そこの部分も含めて、全体的には池井戸潤の既存作と比べると新鮮味に欠ける印象を受けた。同じようなプロット展開、同じような人物造型が繰り返されているような感じがするのだ。 とはいえ、きちんと話は進むし、つまらなくて投げ出したくなるわけではない。上巻を読んだので下巻もおそらく読むだろう。話題作として一度は目を通しておく価値はあるが、特別に推薦するほどではない。そんな一冊である。

感想

池井戸潤の『俺たちの箱根駅伝 上』を読み終えた。正直なところ、この著者の作品は安定感があり、期待を裏切らない。本作も然りだ。 箱根駅伝という日本のスポーツ文化を題材にしながら、単なるスポーツ小説に留まらない構成が見事である。落ちぶれた名門大学の復活劇、その背景にある人間関係や葛藤、そして中継の舞台裏に登場するテレビ局スタッフの思惑まで、複数の視点から物語が紡がれていく。自営業を営む身として、組織を動かす人間たちの心理描写には格別の興味を覚える。 主将・青葉隼斗の渾身の走りを追う一方で、プロデューサー徳重の葛藤も丁寧に描かれている点が秀逸だ。こうした多層的なストーリー展開は、著者の真骨頂といえよう。 惜しむらくは上巻ということで、クライマックスが未だ先であること。続きが気になってならない。下巻の出版を心待ちにしている。評価の高い理由が十分に理解できる一冊だ。

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