直人の本棚
俺たちの箱根駅伝 上

俺たちの箱根駅伝 上

池井戸 潤 文藝春秋 2024年4月24日

感想

池井戸潤の新作と聞いて、また話題の本が出たのかと手に取った。箱根駅伝という題材は確かに興味深いし、ドラマ化決定という帯も目に入ってくる。 ただ率直に言うと、期待していた以上のものは感じられなかった。駅伝という競技の熱さや、若い選手たちの青春ドラマとしての要素は十分に描かれている。それでも何かが足りない。もう何十年も生きてくると、こういう熱血スポーツ青春小説に深く没入するのは難しくなるのかもしれない。 テレビ局の編成サイドの描写も入ってくるようだが、そこの部分も含めて、全体的には池井戸潤の既存作と比べると新鮮味に欠ける印象を受けた。同じようなプロット展開、同じような人物造型が繰り返されているような感じがするのだ。 とはいえ、きちんと話は進むし、つまらなくて投げ出したくなるわけではない。上巻を読んだので下巻もおそらく読むだろう。話題作として一度は目を通しておく価値はあるが、特別に推薦するほどではない。そんな一冊である。