直人の本棚
なりたい母ちゃんにゃなれないが 失敗たくさん、時々晴れの迷走育児録

なりたい母ちゃんにゃなれないが 失敗たくさん、時々晴れの迷走育児録

須藤 暁子 集英社 2018年7月26日

感想

最近SNSで話題になっていたので手に取った一冊だが、予想以上の面白さだった。医師という多忙な職業を持ちながら、二人の男の子を育てる著者のエッセイである。 育児というと理想化された情報が溢れているものだが、この本は違う。失敗の連続、予想外のハプニング、時には絶望的な状況まで、ありのままが綴られている。それでいて深刻にならず、どこか温かくユーモアに満ちているところが素晴らしい。 印象的だったのは、子どもを完璧に育てようとするのではなく、「いじめも事故も病気も起こるものだから」という覚悟を持ち、その上で親として何をすべきかを考える著者の姿勢である。私たち親世代が忘れかけていた大切な視点を思い出させてくれる。 子育て中の方はもちろん、親としての経験を持つ世代にとって深く響く一冊だ。人生経験が豊かだからこそ書ける、本当に大事なことが詰まっている。話題作として読む価値は十分にある。