直人の本棚
感想

GOATという新文芸誌の存在をニュースで知ってから、ずっと気になっていた。29万部突破という数字に、出版業界でも話題になっているのだろうと推測していたが、ようやく手に取ることができた。 第3号のテーマは「美」。高瀬隼子、間宮改衣といった気鋭の作家たちの短編が並ぶ中、特に目を引いたのは上白石萌音と藤原さくらの対談だ。同世代の作家たちがどのような視点で「美」を捉えているのか、その思考過程が垣間見える。 また、本格ミステリ特集で有栖川有栖らが登場するあたり、編集部の目利きの良さが感じられる。単なる新しい声の発掘に留まらず、確実な筆力を持つ書き手たちの作品が混在していることが、この誌の品質を保っているのだろう。 58年も生きていると、出版界のトレンドは耳目に入りやすいが、実際に読んでみると期待値を上回る充実度だった。毎号チェックする価値がある文芸誌として、これからも追い続けたいと思わせる一冊である。

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