直人の本棚
はじめての語彙力えほん

はじめての語彙力えほん

金田一秀穂 日本図書センター 2026年4月17日

感想

孫の教育に役立つかと思い、手に取ってみた一冊だ。ことわざや慣用句、四字熟語といった古典的な表現を、イラスト付きで154語紹介する絵本である。 率直に言えば、可もなく不可もない。対象年齢が5歳以上ということで、子どもむけの啓発書として見れば及第点だろう。ことばの意味をビジュアルで理解させる工夫は評価できる。ただ、親世代の私が読んでも、これといった新しい発見や深い洞察はない。単純な言葉の辞書的説明に止まっているという印象が拭えない。 気になった点としては、掲載されている表現の選定基準がやや曖昧に感じられることだ。子どもに必要な語彙とそうでないものが、うまく分別されているのか疑問の余地がある。また、ことわざ一つをとっても、その背景にある文化的・歴史的な文脈まで踏み込んだ解説があれば、より学習効果は高まったはずだ。 同様の趣旨の本は世に多くあるが、本書が他と比べて特に秀でているとは言いがたい。孫への贈り物として実用的には機能するだろうが、読書の醍醐味を感じるには物足りない作品である。

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