しんの本棚
感想

正直なところ、このタイプの作品は買う前にレビューを何度も確認してしまうんですけど、この本は後悔なく読めました。超高層マンションという限定された舞台で、一つの事件をめぐって複数の視点から真実が明かされていくという構成が想像以上に上手くて、引き込まれました。 特に良かったのは、各キャラクターの証言を聞いていく中で、こちらの推測が次々と覆されていく快感です。犯人が誰なのかを予想しながら読み進めるのが本当に楽しい。そしてタイトルの「N」が何を指すのかも明かされたとき、なるほど…!と納得できる仕掛けになっていました。 著者初の純愛ミステリーということで、恋愛要素とミステリーのバランスがどうなるか心配でしたが、むしろその組み合わせが物語に深みを与えていて良かったです。切なさが作品全体を包みながらも、謎解きの興奮を損なわない。そのあたりのクオリティは本当に高いと思います。軽くはない内容ですが、一気読み必至の傑作です。

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