Nのために

Nのために

湊かなえ

出版社:双葉社 出版年月日:2014/08/19

双葉社 | 2014/08/19

3.67
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

正直なところ、このタイプの作品は買う前にレビューを何度も確認してしまうんですけど、この本は後悔なく読めました。超高層マンションという限定された舞台で、一つの事件をめぐって複数の視点から真実が明かされていくという構成が想像以上に上手くて、引き込まれました。 特に良かったのは、各キャラクターの証言を聞いていく中で、こちらの推測が次々と覆されていく快感です。犯人が誰なのかを予想しながら読み進めるのが本当に楽しい。そしてタイトルの「N」が何を指すのかも明かされたとき、なるほど…!と納得できる仕掛けになっていました。 著者初の純愛ミステリーということで、恋愛要素とミステリーのバランスがどうなるか心配でしたが、むしろその組み合わせが物語に深みを与えていて良かったです。切なさが作品全体を包みながらも、謎解きの興奮を損なわない。そのあたりのクオリティは本当に高いと思います。軽くはない内容ですが、一気読み必至の傑作です。

感想

最近、書店で目立つ場所に平積みされていたのでつい手にとってしまいました。高層マンションでの怪事件と、四人の若者それぞれの証言というストーリーに、なんだか惹かれたんです。 読み始めてみると、登場人物たちの複雑な感情や関係性が丁寧に描かれていて、それはよかったのですが、正直なところ、ミステリーの部分では少し物足りなさを感じてしまいました。謎解きに向けてのテンポが、私好みの速さではなかったのかもしれません。 ただ、若い世代の心情描写は細やかで、それぞれの登場人物に愛おしさを感じさせるところは作者の工夫が伝わります。パート仕事の合間に読むには、ちょうどいい分量の文庫版も助かりました。 結局のところ、話題になっているだけあって、読んで損はないというレベルでしょうか。もう少し意外性があれば、もっと引き込まれたかなと思います。ミステリーと純愛の融合という試み自体は悪くないんですけれど。

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