ほどなく、お別れです それぞれの灯火

ほどなく、お別れです それぞれの灯火

長月 天音

出版社:小学館 出版年月日:2023/03/07

小学館 | 2023/03/07

4.25
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

SNSで話題になっていたので、どうしても気になって手にとった一冊です。 葬儀という日常から遠い世界を舞台にしながらも、これほど温かく、人間らしい物語だとは思いませんでした。主人公・美空が葬儀場で出会う様々な「訳あり」のケースを通じて、喪失とどう向き合うか、故人とどう別れるかが静かに、でも確実に描かれています。 公務員として日々、制度や規則に向き合う身としては、葬儀という儀式の持つ意味の重さに改めて気づかされました。誰もが避けたくなる案件だからこそ、そこに寄り添う人たちの優しさが際立つんですね。高校の友人との再会から始まる物語も素敵で、人生の様々なステージで読み返したくなるような作品だと感じます。 文庫本という手軽さも相まって、通勤時間にぐいぐい引き込まれました。喪失について深く考えさせられるのに、決して重くなりすぎていない絶妙なバランスが秀逸です。

感想

正直、葬儀場を舞台にした小説なんて暗いんじゃないかって警戒してました。でも読んでみたら全然違った。確かに喪失や別れが中心的なテーマなんですけど、そこに向き合う人たちの温かさとか、故人を送る意味みたいなものが丁寧に描かれていて、むしろ前向きな気持ちになれたんです。 主人公の美空が「訳あり」な葬儀に真摯に向き合う姿勢とか、師匠の漆原さんの厳しくも優しい指導の場面が心に残ります。そこに高校の友人との再会が絡んできて、人によって別れや喪失とどう向き合うのかが複雑に描かれる。エッセイの要素もあるのか、葬儀という儀式そのものへの深い考察も読めます。 短編集的な構成で、各章で違う物語が展開するのも読みやすい。一編一編が完結してるから、ライトノベルに慣れた自分でも入り込みやすかったです。ただ最後の展開は予想外で、そこがちょっと心に引っかかってます。悪い意味じゃなく、もう一度読み返したくなる感じで。

感想

葬儀という日常では関わることの少ないテーマなのに、なぜこんなに惹き込まれるんだろう。読み始めたら止められませんでした。 主人公の美空が葬儀場で出会う様々な故人と遺族の物語を通じて、死別という最大の喪失とどう向き合うのかが丁寧に描かれています。特に印象的だったのは、葬祭ディレクター・漆原の厳しさの奥に隠された優しさ。最初は厳しいだけに見えるキャラクターが、物語を進めるにつれて本当の気配りの形が見えてくるんです。 エッセイ的な語り口もあって、読みやすさと深さのバランスが絶妙。重いテーマなのに後味が良いのは、著者が「別れ」を悲劇ではなく、故人と遺族が最後に向き合う大切な時間として捉えているからかもしれません。 高校の友人との再会から始まる物語の展開にも引き込まれますが、その先がどうなるのかは読んでからのお楽しみ。人生について考えさせられながらも、心がほわっと温かくなる。そんな素敵な一冊です。

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