近藤の本棚
感想

ミステリーとしてのトリックの完成度より、登場人物たちの心情描写に重きを置いた作品だという印象です。超高層マンションという限定された舞台で、4人の証言が徐々に明らかになっていく構成は確かに引き込まれます。ただ、エンジニアとして「論理的な謎解き」を期待していた身としては、やや心理描写に寄りすぎている気がしました。 「Nとは誰か」という問いに向かって物語が進むのですが、そこに至るまでの道筋が、ときどき曖昧に感じられました。登場人物それぞれの動機や感情は丁寧に描かれているのに、事件の核となる部分の説得力がもう少し欲しかったというか。読み終わった後、腑に落ちきらない部分が残りました。 「純愛ミステリー」という触れ込みなので、恋愛要素を楽しむ読者には響く作品かもしれません。ただ実際に読んでみると、切なさと謎解きのバランスが、人によっては取りづらい可能性があると感じます。ミステリーが好きな方とロマンティックな描写が好きな方では、評価が分かれそうな一冊です。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ