SE読書日記の本棚
感想

直木賞受賞作ということで手にとってみたのですが、想像以上に心に刺さりました。乳がんの手術後、社会復帰できない主人公・春香の葛藤を描く短編集なのですが、この子のひねくれた思考回路、親への反発、恋人との関係性がとにかくリアル。自分も子育てで社会から一歩引いた立場だからこそ、「何もかも面倒くさい」という気持ちがすごく伝わってくるんです。 健康問題を抱えながらも、それだけでは説明できない心の複雑さを丁寧に描いていて、単なる「頑張ろう」という励ましで終わらない点が本当に素晴らしい。春香が悪態をつきながらも必死で生きようとしている姿勢に、何度も心を掴まれました。 短編集なので読みやすく、通勤時間や合間の時間でも読めるのも良かった。人生に少し疲れた時に読むと、「あ、私だけじゃないんだ」って思えます。大変な時期を過ごしている人にもそうでない人にも、ぜひ読んでほしい一冊です。