直木賞受賞作ということで手にとってみたのですが、想像以上に心に刺さりました。乳がんの手術後、社会復帰できない主人公・春香の葛藤を描く短編集なのですが、この子のひねくれた思考回路、親への反発、恋人との関係性がとにかくリアル。自分も子育てで社会から一歩引いた立場だからこそ、「何もかも面倒くさい」という気持ちがすごく伝わってくるんです。 健康問題を抱えながらも、それだけでは説明できない心の複雑さを丁寧に描いていて、単なる「頑張ろう」という励ましで終わらない点が本当に素晴らしい。春香が悪態をつきながらも必死で生きようとしている姿勢に、何度も心を掴まれました。 短編集なので読みやすく、通勤時間や合間の時間でも読めるのも良かった。人生に少し疲れた時に読むと、「あ、私だけじゃないんだ」って思えます。大変な時期を過ごしている人にもそうでない人にも、ぜひ読んでほしい一冊です。
最近登録された他の本の感想
2026年06月08日
書店で長く平積みされていたこの本、ずっと気になってはいたんですよね。でも経済小説というと難しそうで…と敬遠していたのが正直なところです。ようやく手に取ってみたら、これが本当に面白かった。 敗戦直後という困難な時代を舞台にしながらも、登場人物たちの前に進もうとする力強さが感じられて、読んでいてどんどん引き込まれます。石油という素材を通じて、日本がどう再生していくのかを描いているんですが、決して難しくなく、むしろ人間ドラマとして成立しているのが素晴らしい。 主人公の不屈の精神や、スタッフとの関係性も心温まります。ビジネス書としても勉強になりますし、人生について考えさせられる部分も多いです。子どもたちが寝た夜中についつい続きが読みたくなって、夜更かししてしまいました(笑)。上巻を読み終わったら、もうすぐ下巻も手に取りそうです。家事の息抜きにこういった本が読めるのは本当にいいですね。
2026年06月06日
家事と育児の合間に、ビジネス書もちょこちょこ読んでいるのですが、この本は本当に実用的で驚きました。難しい経営理論ばかりが書かれているのかと思ったら、むしろシンプルで分かりやすい。「数字」と「人」という2つのコアスキルに絞られているので、読んでいて頭がスッキリします。 12週間という限定的なプログラムから生まれた内容だからか、とにかく無駄がない。従来のMBA教育の不要な部分を徹底的に削ぎ落としているのが伝わってきます。主婦の立場からしても、ビジネスの知識を自分のやりくりや判断に活かせそうだなと感じました。 世界50カ国で学ばれているという説得力も心強いし、何より読みやすいリズムで最後まで楽しく進められたのが良かった。敷居が高そうなMBA本もこうして工夫されれば、気軽に学べるんだなと実感しました。すぐに実践できるヒントが随所にちりばめられているので、何度も読み返したくなる一冊です。
2026年06月01日
キングダムシリーズも78巻に到達したんですね。最近、子どもたちが学校から帰った後の隙間時間に読むのが習慣になっていて、このシリーズはもう欠かせません。 今巻は李牧との最終決戦へ向けた準備段階という感じで、緊張感がどんどん高まってくるのが素晴らしい。韓の統治が進む中での秦と趙の対峙という構図は、これまでの物語の積み重ねがあるからこそ響くんだと思います。長年にわたって張られていた伏線が次々と回収されていく快感たるや…。 登場人物たちのドラマも相変わらず熱い。バトルだけじゃなく、各勢力の思惑や人間関係の複雑さがしっかり描かれているので、単純な勧善懲悪ではない奥深さがあります。家事の合間に続きが気になって、つい一気読みしてしまいました。 次巻が本当に待ち遠しいです。このまま傑作として駆け抜けてくれることを願うばかり。あと何巻まで続くんでしょう、でも焦らずじっくり楽しみたい心持ちです。
2026年06月01日
話題になってたから読んでみたんですけど、これ本当に素晴らしい作品ですね。学校に行けなくなった子どもたちが鏡を通じて別の世界へ導かれるという設定だけで既にワクワクなのに、物語が進むにつれて深い感動まで得られるなんて。 登場人物たちの悩みや葛藤がすごくリアルで、思わず自分の人生と重ね合わせてしまいました。主人公たちが城で過ごす時間を通じて少しずつ変わっていく様子がほんとに丁寧に描かれてるんです。途中からは一気読み確定で、夜中まで続きが気になって寝不足になっちゃったほど。 何より良かったのは、最後に全てが繋がる瞬間。あの構成の上手さには本当に驚きました。辛い思いをしてる人へのメッセージとしても、単純なエンタメ小説としても完成度が高い。育児で疲れた時とか、心が沈んでる時に読むと、すごく励まされるんじゃないかな。人生で何度も読み返したくなるような一冊です。
2026年06月01日
朝の時間をもっと有効活用したいという漠然とした思いから、この本を手に取りました。朝の30分でこんなに人生が変わる?という期待も少しありました。 読んでみると、特別な「朝活」ノウハウではなく、むしろ朝という限られた時間をいかに自分のペースで過ごすか、という心持ちの話なんですね。スヌーズ機能を手放すとか、ぼーっとする時間を大事にするとか、実践的なアドバイスもあります。 ただ、内容的には「朝は大切」という基本的なメッセージが繰り返されている感じで、目新しさには欠けます。子どもの世話で朝がバタバタな身としては、「理想はわかるけど現実は…」と感じることも。それでも、朝の30分を意識的に作ることで気持ちがリセットされるというのは確かに感じています。 気軽に読めて、朝時間について考えるきっかけになる一冊ではありますが、革新的な内容ではないので、人によって評価が大きく分かれそうです。
2026年05月06日
本屋大賞受賞作ということで手にとってみたのですが、期待以上に心が温かくなる物語でした。 喪失と再生の物語というと重くなりがちですが、この作品は食事を通じて二人の距離が縮まっていく様子が本当に優しく描かれています。離婚で心が閉ざされていた主人公が、一杯のスープからほぐれていく過程が自然で、読んでいて一緒に癒されるような感覚になりました。 普段、家族の食事を用意する身として、食べ物がどれだけ人の心を満たすものなのか改めて気づかされたというか。最愛の人を失った悲しみと、それでも前に進もうとする力強さが、素朴な料理シーンの中に詰まっているんです。 キャラクターもとても魅力的で、無愛想だと思っていた登場人物が徐々に心を開いていく過程に引き込まれました。余韻の残る素敵なエンディングも、何度も思い返してしまいます。疲れた時や心がざわざわしている時に読むと、本当にそっと寄り添ってくれる作品だと思いました。同じ年代の女性にも、ぜひ読んでもらいたいです。
2026年05月06日
帯の惹句に惹かれて、思わず手に取ってしまいました。女性の暴力団員という設定だけで、これはもう読むしかないでしょう。 依子というキャラクターが本当に魅力的です。暴力を唯一の趣味とする、一見するとぶっ飛んだ女性なのに、読み進めるにつれて彼女の内面の複雑さ、痛みのようなものが静かに立ち上がってくる。その対比がたまりません。運転手兼護衛として関わることになるお嬢さんとの関係性も、予想外の展開で目が離せませんでした。 描写が本当に容赦ないというか、血が逆流するというキャッチコピーそのままに、アクションシーンはこれでもかと生々しい。でも不思議と嫌悪感ではなく、むしろ引き込まれてしまう。この著者の筆力の素晴らしさです。秘密と秘密が折り重なるストーリー構成も見事で、終盤の大胆な仕掛けには本当に驚かされました。 気軽に読む本というより、がっつり世界観に浸れる一冊。こういう個性的で力強い物語、もっと読みたくなります。
2026年04月02日
『アラビアン・ナイト』の12巻目です。これまでのシリーズで世界観にすっかり引き込まれていたので、今巻も期待満々で読み始めました。 相変わらず壮大で奇想天外な物語ばかり。今回も新しい登場人物たちの運命が複雑に絡み合う様が見ていて、ついつい一気読みしてしまいました。何度読み返しても、この物語の豊かな想像力には本当に脱帽です。 平凡社の翻訳版はやっぱり読みやすくて、世界観への没入感が素晴らしい。家事の合間の短い時間で読んでも、すぐにシャハラザードの世界へ引き戻されます。 あえて言えば、後半に少し展開のテンポが落ちる部分があったので、星4つにしました。ただ、それでも十分に魅力的で、次巻が早く読みたくてたまりません。古典だからこそ得られる味わいがあるんだなって、改めて感じた一冊です。
2026年03月24日
このシリーズもついに第七巻!毎回続きが気になって仕方ないのですが、今回もその期待を裏切りません。 禁術によって四代前の王の魂が現代の王位継承者に乗り移るというストーリー展開、正直びっくりしました。王位をめぐるドラマだけでなく、同じ体の中に二つの魂が存在するという不気味さと、その中での葛藤も描かれていて、ただの権力争いではない深さがあります。 主人公・鳴矢の揺るがない信念と、相手方の老獪さが対比されていて、ページをめくる手が止まりません。七家それぞれの思惑が絡み合う様子も複雑で、「一体どうなるんだろう」とドキドキしながら読み進めます。 育児の合間の息抜きにぴったりな、でも読み応えのある作品。長編シリーズの中盤とは思えないほど盛り上がっています。次巻が待ち遠しくて、もう心の準備をしておこうかな、というくらい(笑)。このまま応援し続けたい作品です。
2026年03月18日
「新宿鮫」シリーズは気軽に楽しめるミステリーとして重宝してるんですが、今作『黒石』も期待を裏切りませんでした。 シリーズ最高峰の敵キャラが登場するということで、どんな人物なのか興味津々で読み始めたんです。実際に読んでみると、単なる悪人ではなく、複雑な背景を持つ人物像が描かれていて、鮫島刑事との対立構図がとても魅力的。犯罪ネットワークの内部抗争と個人的な愛憎が絡み合い、物語がどう転ぶのか予測がつきません。 家事の合間に一気読みしてしまったほど、ページをめくる手が止まりませんでした。登場人物たちがそれぞれ複雑な事情を抱えていて、単純な善悪では割り切れない世界観がリアルです。 一つだけ、登場人物が多く、人物関係を追うのに少し手間取ったのが残念。でも、それもこのシリーズの魅力の一つかもしれません。シリーズファンなら絶対に満足できる一冊です。
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