カフネ

カフネ

阿部 暁子

出版社:講談社 出版年月日:2024/05/22

講談社 | 2024/05/22

4.20
本棚登録:7人

みんなの感想

正直なところ、最初はこの本を選ぶのに迷いました。でも本屋大賞受賞作ということで、口コミも良かったので思い切って読んでみました。 読み始めたら、一気に引き込まれてしまいました。姉と弟の元恋人という気まずい関係から始まるのに、食事を通じて心が通い合っていく過程がすごく丁寧に描かれていて。離婚で疲れ果てた主人公が、温かい食事と誰かの優しさによって少しずつ変わっていく様子が自然で、読んでいてほっこりしました。 自分はまだ親元にいるので、大人の孤独とか疲労とかは完全には理解できないかもしれません。でも「一緒に生きよう」というテーマは、年代関係なく響きます。食事という日常的なものが、人と人をつなぐツールになっているのが、すごく素敵だなって思いました。 ただ、重いテーマを扱っているので、気分によっては読むのが辛い場面もあります。だからこそ丁寧に選んで読みたい人向けかな。私はこの本を読んで良かったです。

本屋大賞受賞作ということで手に取ったのですが、期待以上の素晴らしさでした。 弟の急死という重いテーマから始まるのに、物語が進むにつれて心がほぐれていく感覚を味わえます。主人公・薫子のキャラクター設定が本当に巧妙で、最初の頑なな態度から少しずつ変わっていく過程が自然かつ説得力があります。離婚後の荒んだ生活を送っていた彼女が、温かい食事を通じて人とのつながりを取り戻していく—そのプロセスが心に響きました。 自営業をしていると、つい自分優先になって周囲との関係性が疎遠になることもありますが、この本を読んで改めて「誰かのためにする」ことの大切さを感じました。食事というテーマを通じて、人間関係の修復や成長を描くセンスも素晴らしい。 何度も足を止めて読み返してしまうほど、言葉一つひとつが丁寧に選ばれているのが伝わります。話題の本という理由で読みましたが、その評判に納得。日々忙しくしている人こそ、この物語の優しさに包まれて欲しい一冊です。