感想
本屋大賞受賞作ということで手にとってみたのですが、期待以上に心が温かくなる物語でした。 喪失と再生の物語というと重くなりがちですが、この作品は食事を通じて二人の距離が縮まっていく様子が本当に優しく描かれています。離婚で心が閉ざされていた主人公が、一杯のスープからほぐれていく過程が自然で、読んでいて一緒に癒されるような感覚になりました。 普段、家族の食事を用意する身として、食べ物がどれだけ人の心を満たすものなのか改めて気づかされたというか。最愛の人を失った悲しみと、それでも前に進もうとする力強さが、素朴な料理シーンの中に詰まっているんです。 キャラクターもとても魅力的で、無愛想だと思っていた登場人物が徐々に心を開いていく過程に引き込まれました。余韻の残る素敵なエンディングも、何度も思い返してしまいます。疲れた時や心がざわざわしている時に読むと、本当にそっと寄り添ってくれる作品だと思いました。同じ年代の女性にも、ぜひ読んでもらいたいです。