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カフネ

カフネ

阿部 暁子 講談社 2024年5月22日

正直なところ、最初はこの本を選ぶのに迷いました。でも本屋大賞受賞作ということで、口コミも良かったので思い切って読んでみました。 読み始めたら、一気に引き込まれてしまいました。姉と弟の元恋人という気まずい関係から始まるのに、食事を通じて心が通い合っていく過程がすごく丁寧に描かれていて。離婚で疲れ果てた主人公が、温かい食事と誰かの優しさによって少しずつ変わっていく様子が自然で、読んでいてほっこりしました。 自分はまだ親元にいるので、大人の孤独とか疲労とかは完全には理解できないかもしれません。でも「一緒に生きよう」というテーマは、年代関係なく響きます。食事という日常的なものが、人と人をつなぐツールになっているのが、すごく素敵だなって思いました。 ただ、重いテーマを扱っているので、気分によっては読むのが辛い場面もあります。だからこそ丁寧に選んで読みたい人向けかな。私はこの本を読んで良かったです。