プラナリア

プラナリア

山本 文緒

出版社:文藝春秋 出版年月日:2005/09/02

文藝春秋 | 2005/09/02

3.67
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

直木賞受賞作ということで手にとってみたのですが、想像以上に心に刺さりました。乳がんの手術後、社会復帰できない主人公・春香の葛藤を描く短編集なのですが、この子のひねくれた思考回路、親への反発、恋人との関係性がとにかくリアル。自分も子育てで社会から一歩引いた立場だからこそ、「何もかも面倒くさい」という気持ちがすごく伝わってくるんです。 健康問題を抱えながらも、それだけでは説明できない心の複雑さを丁寧に描いていて、単なる「頑張ろう」という励ましで終わらない点が本当に素晴らしい。春香が悪態をつきながらも必死で生きようとしている姿勢に、何度も心を掴まれました。 短編集なので読みやすく、通勤時間や合間の時間でも読めるのも良かった。人生に少し疲れた時に読むと、「あ、私だけじゃないんだ」って思えます。大変な時期を過ごしている人にもそうでない人にも、ぜひ読んでほしい一冊です。

感想

話題になっていたので思わず手に取ってしまいました。直木賞受賞作ということで期待も大きかったのですが、正直なところ、私にはピンとこなかった部分が多くありました。 確かに若い女性の複雑な心情を丁寧に描いているのは伝わります。乳がんという重い経験を背負って、社会復帰に葛藤する主人公の気持ちは理解できます。ただ、読んでいて何度も「もう少し前に進めないのかな」という焦りを感じてしまったんです。 パート勤務をしている身からすると、働くことの大切さや周囲との関係性の修復がもっと描かれていてもよかったのかもしれません。自分に疲れ果てるばかりで、そこからの脱却への道筋が見えにくい。短編集という形式も、深掘りしきれていない印象を受けました。 最近の若い人たちの心情を知るきっかけにはなりましたが、世代による感じ方の違いを改めて感じた一冊です。

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