本棚の住人の本棚
感想

新書大賞を受賞したというので手に取ってみたら、期待以上の収穫がありました。 デリダやドゥルーズといった現代思想の大家たちの思想が、ここまでダイレクトに現代生活と結びついて説明されている入門書は珍しいです。著者は単に哲学を説明するのではなく、私たちが日々感じる「窮屈さ」や「管理された生活」への違和感と、それらの思想家たちの議論をシームレスに接続させている。その手腕が見事だと感じました。 特に印象的だったのは、「物事を二項対立で捉えない」という視点です。これまで私は無意識のうちに何事も「正解か不正解か」「できるかできないか」という枠で考えていたんだと気づかされました。フリーターという立場で周囲からの期待や評価に左右されやすい私にとって、その呪縛から少し自由になるような言葉たちが詰まっていた。 難解だと言われる現代思想も、丁寧に読み解けば自分たちの人生そのものに深く関わっているんだということが体感できる一冊です。思想書の入門としてだけでなく、人生のモヤモヤを少し晴らすための道標としても機能する本だと思います。

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