現代思想入門

現代思想入門

千葉 雅也

出版社:講談社 出版年月日:2022/03/16

講談社 | 2022/03/16

2.50
本棚登録:2人

みんなの感想

感想

新書大賞受賞作とあって期待して手にしましたが、その期待を見事に上回る充実度です。 デリダやフーコーといった現代哲学の巨人たちの思想が、これほどまでに分かりやすく、かつ実生活に直結する形で紹介されたのは珍しい。著者の解説は単なる知識の羅列ではなく、各哲学者が「何を考えているのか」という根本的な問いに正面から向き合っている点が素晴らしい。 特に印象的だったのは、「二項対立で物事を捉えない」という視点です。会社という秩序立った環境に身を置く身として、本書で語られる「秩序からの逸脱を肯定する言葉」には、思わず深くうなずいてしまいました。管理社会的な窮屈さから少し解放されたような感覚さえ覚えます。 新書という限られた紙幅の中で、ここまで現代思想の本質を捉えるのは容易ではありません。難解と思われやすい分野だからこそ、本書のような「究極の入門書」の価値は計り知れない。人生観を揺さぶられたい読者には、本当にお勧めです。

感想

新書大賞受賞という触れ込みに惹かれて手に取りました。現代思想の最高峰とされる哲学者たちの思想を、実生活とのつながりを示しながら解説する試みは魅力的です。ただ、期待値が高かった分、読んでみるとやや物足りなさを感じてしまいました。 確かに、デリダやフーコーといった難解な思想家たちの考え方が比較的わかりやすく整理されている点は評価できます。しかし、管理職として日々実際の組織運営に携わる立場からすると、「秩序からの逸脱を肯定する」というメッセージが、やや観念的に感じられるのです。理想と現実のギャップを埋める具体的な知見が不足しているように思いました。 また、ライフハックとの結びつけが急ぎ足で、深掘りが足りません。複雑な現代思想を入門者向けに簡潔にまとめるという課題と、実用性を両立させるのは難しいのだろうと理解しますが、結果として両者が中途半端な印象は拭えません。 既に現代思想についてある程度の知識を持つ読者には物足りず、完全な初心者にはやや難しいままのような気がします。

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