本棚の住人の本棚
棺桶まで歩こう

棺桶まで歩こう

萬田緑平 幻冬舎 2025年11月27日

感想

親戚の葬式で思ったことが、この本を手に取るきっかけになった。延命治療ってほんとに本人のためなのか、それともただシステムの一部なのか—そんなモヤモヤを抱えていた時に出会いました。 著者が2000人以上を看取った緩和ケア医だというのが何より説得力がある。机上の空論ではなく、実際の現場で感じた「死の質」についての深い洞察が詰まっています。特に印象的だったのは「歩けるうちは死にません」というシンプルで力強いメッセージ。健康寿命と実寿命のズレについて、こんなに平易に、そして誠実に語られたのは初めてです。 病院での最期が必ずしも「良い死」ではないこと、むしろ在宅で自分のペースで過ごすことの価値—こういう選択肢があるんだという気づきは、今後の人生観を変えそう。フリーター生活で先行きが見えない私だからこそ、人生の終わり方について真摯に考える必要があるんだと感じました。 医療に対する警戒心ではなく、医療との上手な付き合い方を教えてくれる一冊。多くの人に読んでほしいです。