本棚の住人の本棚
感想

『都市伝説解体センター』シリーズのファンなら手に取る価値のある一冊。断篇集ということで、本編では描かれなかったエピソードを拾い集めた構成になっています。 正直なところ、短編集特有の物足りなさは否めません。各話が短いため、設定の面白さを感じつつも、もう少し深掘りしてほしい場面が何度もありました。特に複数のキャラクターが登場する話では、それぞれの背景や関係性がもっと丁寧に描かれていたら、より引き込まれたのではないかと思います。 ただ、原作の世界観を拡張させるという点では及第点。あざみと美桜の大学時代といった、本編では触れられない時間軸の話が読めるのは嬉しいですし、登場人物たちの意外な一面が垣間見えるのも魅力的です。巻末のステッカーなども、ファンへの心遣いが感じられます。 新書という手軽さで読める分、シリーズの補完材料として機能しています。本編をすでに読んでいるなら、スキマ時間で楽しめる良い副読本ですが、これ単体で新規読者に強く勧めるほどではないというところでしょうか。