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果つる底なき 新装版

果つる底なき 新装版

池井戸 潤 講談社 2026年1月15日

感想

銀行という組織の内部構造を題材にした作品が話題になっていたので、手に取ってみた。予想通り、優れたミステリーだった。 メガバンクの債権回収部門を舞台に、同僚の不可解な死から始まるストーリーは、単なるミステリーの枠を超えている。著者は金融機関の闇を巧みに描き出し、組織と個人の葛藤を浮き彫りにしていく。管理職として働く自分としても、企業の裏側で何が起きているのか、どんな圧力や誘惑が存在するのかを改めて考えさせられた。 伏線の張り方が丁寧で、各章が粉飾、半導体といった具体的なビジネス用語を題材にしているのも秀逸だ。ただの謎解きではなく、経済小説としての骨太さが感じられる。キャラクター設定も魅力的で、特に過去の恋愛関係が複雑に絡み合う構成は、人間ドラマとしても完成度が高い。 新装版ということで改めて読んでみたが、今日の金融業界の問題を考える際の指針となる作品だと感じた。ビジネスパーソンなら一読の価値がある。