感想
このシリーズも5巻に突入し、もはや中毒的な面白さに達している。ダンジョン無双の中年男性・佐藤蛍太という設定がこんなに秀逸だとは思わなかった。年が近い身としては、地味に生きてきたおじさんが無自覚のうちに英雄になっていく過程に、思わず引き込まれてしまう。 今巻の面白さは、キャラクター間の関係性がより複雑に絡み合ってきた点にある。配信者としての側面、マネージャーとしての苦労、本来の実力者としての立場——複数のアイデンティティを器用に操るしかない状況設定が、現代のSNS時代を皮肉めいた目線で描いている。管理職として部下の処遇に頭を悩ませる身だからか、人間関係の綱渡りぶりに特に共感してしまった。 相変わらずテンポの良さが秀逸で、一気読みしてしまう。次巻も既に気になっているが、この調子なら続巻への期待値も高まっていく。ファンタジー要素とエンタメ性のバランスが取れた、良質なエスケープゴートになっている。