fujiの本棚
感想

昭和から平成にかけての教育業界を舞台にした作品だと聞き、手にとってみました。三世代の人生が塾という題材を通じて描かれるという触れ込みだったからです。 読んでみると、確かに壮大なテーマ設定ですね。学校教育への疑問から塾を立ち上げるという動機も興味深い。ただ、正直なところ、全体的には「よくある家族経営の成功物語」という印象を拭えませんでした。 長編だからこそ、各世代のドラマに深みがあるのかと期待していたのですが、その点では少し物足りなさが残ります。教育者としての葛藤や、時代とともに変わる塾のあり方など、掘り下げられる要素は多いはずなのに、やや表面的に感じられました。 とはいえ、きちんと構成された作品であることは間違いありません。同じテーマに関心のある方や、長編小説をじっくり読む時間がある方には良い選択肢かもしれません。ただ、個人的には、もう一歩踏み込んだ人物描写があれば、より強く心に残ったと思います。