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原典訳 マハーバーラタ(6)

原典訳 マハーバーラタ(6)

上村 勝彦 法藏館 2026年4月10日

感想

マハーバーラタの第6巻を手に取ったのは、話題の古典翻訳シリーズの続巻という理由もありますが、やはり『バガヴァッド・ギーター』の部分が気になったからです。東洋思想に関心を持つようになった今だからこそ、この戦場での哲学的対話の背景を原典で読みたいと思っていました。 本書で最も引き込まれたのは、アルジュナの葛藤とクリシュナの説法の場面です。一族同士が戦うことへの迷いと、それを超越する視点の説き方が、非常に洗練されている。管理職として判断を迫られることの多い日常において、「結果への執着を捨てて行為する」というテーゼは深く響きます。理想と現実のはざまで誰もが感じる葛藤を、数千年前の物語の中に見出すのは興味深い経験です。 壮大な戦いの場面描写も迫力があり、古い物語とは思えないほど生き生きしています。訳も読みやすく、長編の途中でありながら一冊で完結した満足感があります。インド古典への理解を深めるうえで、確実な一冊になりました。

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