最近話題のこの作品、ようやく読み終わりました。IT企業での思想差別という重いテーマながら、決して暗くない。むしろ、正義と現実の間でもがき続けた著者の人生が、静かな力強さで伝わってきます。 窓際人生という代償を払いながらも、仲間との友情を貫く姿勢に心を打たれました。私たちの年代って、仕事と家庭のバランスや人間関係で妥協することも多いじゃないですか。だからこそ、自分の信念を曲げない勇気に共感できるんです。 構成も素晴らしくて、青春時代から現在までを章立てすることで、人生という「峠越え」が立体的に見えてくる。ミカン狩りから始まる思い出の積み重ねが、後の選択にどう影響したのかが自然と理解できます。 本当の自分らしさって何だろう、と改めて考えさせてくれる一冊。世間話で「最近いい本読んだよ」と薦めたくなる、でも深い思考を促す、そんな良質なエッセイ小説です。多くの人に読んでほしい作品ですね。