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感想

本屋で何冊も並んでいるのを見かけて、ずっと気になっていた一冊です。口コミでも評判がいいようでしたし、思い切って手に取ってみました。 正直なところ、辞書編集という地味な仕事が本当に面白く描かれるのか、最初は半信半疑でした。しかし読み進めるうちに、すっかり引き込まれてしまいました。主人公の馬締光也が言葉ひとつひとつと向き合う姿勢が、こんなにも感動的に描けるものかと驚きました。 何より素晴らしいのは、登場人物たちの個性です。定年間近のベテラン編集者、言葉に人生を捧げた学者、チャラいけれど真摯な青年。一見バラバラな人間たちが、ひとつの辞書という共通の目標に向かって努力する様子が、本当に温かみがあります。人間関係の描き方が丁寧で、自分たちの世代にも共感できる部分がたくさんありました。 64年生きてきて、言葉の重みについて改めて考えさせられる。そういう良質な小説に久しぶりに出合えた気がします。パート勤務の傍ら、ゆっくり楽しめる一冊として、心からお勧めできます。

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