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感想

上巻を読み終わった直後、すぐに下巻を手に取らずにいられませんでした。慎重に本を選ぶ性分の自分でも、このシリーズの続きが気になって仕方なかったのです。 蓮実聖司という人物の二面性が徐々に露呈していく過程は、本当に秀逸でした。教師としての完璧さと、その裏に隠された冷徹さのコントラストが見事に描き出されている。下巻では、その怪物性がついに牙を剥く場面へと向かっていくわけですが、貴志祐介の筆力には改めて舌を巻きました。 ただ、エンターテインメント性を重視した結果、心理描写よりも事件の展開速度を優先させている部分は感じられます。もう少し登場人物の内面掘り下げがあれば、さらに深みが出たのではないかという余韻は残ります。 とはいえ、ページをめくる手が止まらなくなるような緊張感、そして予想を裏切る展開の数々は、純粋なエンターテインメント小説としては一級品です。話題になった理由が納得できる傑作でしょう。フリーランスとして不規則な生活をしていますが、こういう一気読みさせてくれる作品は本当にありがたい。

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