時の家
出版社:講談社
出版年月日:2025/10/23
講談社 | 2025/10/23
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みんなの感想
芥川賞受賞作ということで手に取ってみました。一軒の家を舞台に、そこに暮らした三代の人たちの記憶や思いが浮かび上がるという設定は、なかなか興味深いですね。 読んでいて、家という物質を通じて人間の時間が積み重なっていく様子が丁寧に描かれているなという印象です。建築文学という言葉通り、建物そのものが物語の語り手になっているような感覚がありました。 ただ正直なところ、私にはすこし難しく感じる部分も多くて。表現が洗練されているのはわかるのですが、登場人物たちの思いがぼんやりと見えるような書き方で、時々何が起きているのか掴みにくくなってしまいました。若い頃なら違ったかもしれません。 話題の作品だし、せっかく芥川賞の受賞作を読もうという気になったのですから、じっくり向き合って良かったと思います。ただ私のような気軽に読みたい派には、もう少し素直な物語展開だと嬉しかったかな、というのが本音です。