本大好きおじさんの本棚
魔女と過ごした七日間

魔女と過ごした七日間

東野 圭吾 KADOKAWA 2026年6月16日

感想

医療の現場で日々いろんな人間関係や葛藤を目にしていると、小説の中でも人間ドラマがどう描かれているかについ目がいってしまいます。この作品は、父を失った息子が真実を追い求める過程で、不思議な力を持つ女性と出会うという設定だけで惹きつけられました。 実際に読み進めると、警察ミステリの骨組みが意外としっかりしていながらも、ファンタジーのような不思議さが融合していて、新鮮な読み心地でした。何より、少年が少しずつ大人になっていく過程が自然で丁寧に描かれているのが良かった。人生経験を重ねた身としては、そういった心の成長の描き方に共感することが多いです。 ページをめくる手が止まらなくなるほどの中毒性はないかもしれませんが、落ち着いた夜に、ゆっくり物語の世界に浸れる。そういう気軽な読書の時間を求める自分にとっては、本当に心地よい一冊でした。著作100作目という記念作だというのも納得できる完成度だと思います。

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