本大好きおじさんの本棚
感想

医療現場での疲労から、気分を変えたくてサスペンスを手に取りました。「無冠の帝王」という触れ込みに期待値を上げて読み始めたのですが、正直なところ、予想の範囲内という感じです。 確かに、事件の連鎖と登場人物たちの運命は息もつかせぬほど。医療の現場にいる身としては、死と隣り合わせのシーン描写も現実的に感じられます。主人公が自分を「悪魔」に貶めることで人を守ろうとする姿勢は、職業柄か心に響く部分もありました。 ただ、全体的には暗い。よくありがちなダークサスペンスとしての枠を抜け出していないような。章立てが工夫されているのは分かるのですが、どこかで見たようなプロットの組み合わせという感覚が拭えません。シリーズの転換点だということですが、本作単体としては「まあ、こんなものか」という印象に落ち着いてしまいました。 気軽に読むにはボリュームもあり、完全に徹夜してしまったので、つまらなくはないのですが。次巻への期待というより、義務感で手に取りそうな、そういう本です。