悪魔の審判

悪魔の審判

神永 学

出版社:講談社 出版年月日:2026/04/15

講談社 | 2026/04/15

3.50
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

医療現場での疲労から、気分を変えたくてサスペンスを手に取りました。「無冠の帝王」という触れ込みに期待値を上げて読み始めたのですが、正直なところ、予想の範囲内という感じです。 確かに、事件の連鎖と登場人物たちの運命は息もつかせぬほど。医療の現場にいる身としては、死と隣り合わせのシーン描写も現実的に感じられます。主人公が自分を「悪魔」に貶めることで人を守ろうとする姿勢は、職業柄か心に響く部分もありました。 ただ、全体的には暗い。よくありがちなダークサスペンスとしての枠を抜け出していないような。章立てが工夫されているのは分かるのですが、どこかで見たようなプロットの組み合わせという感覚が拭えません。シリーズの転換点だということですが、本作単体としては「まあ、こんなものか」という印象に落ち着いてしまいました。 気軽に読むにはボリュームもあり、完全に徹夜してしまったので、つまらなくはないのですが。次巻への期待というより、義務感で手に取りそうな、そういう本です。

感想

話題になっていたので手に取ってみたのですが、期待以上の迫力でした。ミステリー界の無冠の帝王、という惹句に違わぬ重厚感。 主人公の男が「悪魔になる」という覚悟で事件に立ち向かう設定が、本当に心を掴みます。次々と起こる凶悪事件の数々——カニバリズムやカルト宗教といった重いテーマも、単なる衝撃狙いではなく、この男が何のために苦しむのかを深く問う作品になっています。 自営業をしていると、時に理不尽な現実と向き合うことがあります。この作品を読んでいて感じたのは、そうした苦しみや葛藤が、人間らしさの証だということ。誰かの痛みを自分の痛みとして感じることの重さと美しさが、緻密に描かれていました。 腐敗した大組織と孤立した特殊犯罪捜査室という対比も秀逸です。シリーズ最大の転換点という説明に納得しながら、先の展開が気になって止められなくなりました。年を重ねた今だからこそ、この深さが響きます。

感想

週末にまとめて読んでしまいました。シリーズものということで、登場人物たちへの感情移入もあるのでしょう。ただ、今作については正直なところ「ちょっと盛りすぎかな?」という印象は拭えません。 事件の描写は確かに重厚で、登場人物たちが抱える葛藤もしっかり描かれている。主人公が「悪魔に貶める」という表現は確かに目を引きます。でも、連鎖する事件の数々、カルト団体、議員の自殺など、要素が多すぎて逆に話が散ってしまった感じがしました。 それでも、「誰かの苦しみを共に苦しむ」というテーマ自体は心に残ります。会社員として日々の業務に追われていると、こういう人間臭い描写が響くんですよね。 シリーズの転換点とのことですが、個人的には前作の方が好きでした。次巻への架け橋という役割なのか、終わり方も含めて「続きが気になる」というより「ちょっと疲れた」が本音です。でも講談社の力作であることには違いなく、ミステリー好きなら読む価値はあると思います。

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