本大好きおじさんの本棚
感想

本屋大賞受賞作ということで興味を持って手に取りました。医療現場で日々、人間の深い部分と向き合う仕事をしていますが、この作品はそうした経験を重ねた者だからこそ響く何かがありました。 愛とは何か、人とのつながりとは何かという問いが、とても誠実に描かれています。主人公たちの関係は世間的には理解されがたいものかもしれませんが、読み進むうちに、それぞれの孤独の中での必死の求め合いが切実に伝わってきます。何が正しいのか、判断を超えた場所で人間は生きているんだと改めて感じさせてくれました。 文章も読みやすく、複雑な感情が丁寧に紡ぎ出されていて、一気読みしてしまいました。日中の疲れを感じながら読み始めても、物語の力に引き込まれ、気がつけば夜遅くまで続きが気になっていました。仕事のストレスで心がすり減っているときこそ、こういう深い作品は必要だなと思います。 映画化されているとのことですが、小説の繊細さをどこまで映像化できるか気になります。まずは原作の世界観を大切に味わえる、本当に良い一冊です。

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