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あの日、僕と君が見た空は

あの日、僕と君が見た空は

望月麻衣 スターツ出版 2026年4月28日

感想

話題になっていたこの作品、ようやく手に取りました。灯台という限定的な舞台設定の中で、人生の深い問題を静かに問い続ける手法に引き込まれました。 著者の筆致は非常に丁寧で、日常の些細な風景描写の中に哲学的な重みを忍ばせている。灯台守という職業を通して、孤独、使命感、喪失といったテーマが浮かび上がってくる構成が見事です。生徒たちに何かを教える立場として、自分自身も登場人物の内面の揺らぎに共鳴するものがありました。 小説としてのストーリー展開は緩やかですが、その緩さこそが作品の質感を高めている。短編エッセイのような瞬間的な美しさと、長編小説としての奥行きが融合した独特の作品だと感じます。 ただ、すべての読者にとって心地よい読書体験になるとは限らないかもしれません。物語の進み方を物足りなく感じる人もいるでしょう。しかし、人生経験を積んだ大人が読むほどに、じんわりとその価値が染み渡ってくる、そんな一冊だと思います。

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