bibliolifeの本棚
感想

話題の本として新聞でも取り上げられていたので、手に取ってみた。就活を控えた大学生たちの群像劇というシンプルな設定だが、読み進むにつれ、その奥深さに引き込まれた。 著者は学生たちの内面を丹念に描き出している。SNSで演出された自分と本当の自分のズレ、就活という通過儀礼の中で揺らぐアイデンティティ、親や社会からの見えない圧力―こうした要素が絶妙に織り交ぜられている。特に印象的だったのは、誰もが何らかの「影」を抱えながら生きているという視点だ。これは何も学生に限った話ではなく、教育の現場にいる自分自身にも突き刺さる問題提起である。 構成も工夫されており、複数の視点が重なり合うことで、同じ出来事が違う意味を帯びてくる面白さがある。やや冗長に感じる箇所もあったが、全体としては現代社会の違和感をよく捉えた傑作だと思う。若い世代だけでなく、大人が読んでも多くの気づきが得られる作品。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ