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親しき仲にも殺意あり

親しき仲にも殺意あり

赤川 次郎 集英社 2025年9月19日

感想

赤川次郎のデビュー50周年記念作ということで手に取ったが、これは本当に傑作だ。捜査一課の刑事と殺し屋という正反対の立場にありながら、幼稚園からの大親友という設定の緊張感がたまらない。二人の友情と立場の相克を描くプロットは、単なるエンタメに留まらず、人間関係の本質に迫る深さがある。 赤川次郎の真骨頂は、こうした綻びが生じた関係性をどう描くかにあるのだろう。容子が結美を護衛するという逆転の構図も秀逸で、ページをめくる手が止まらなくなった。映画化もされたというのも納得できる仕上がりで、青春クライムサスペンスとしてのエンターテインメント性と人間ドラマのバランスが実に良い。 教員として生徒たちに「物語とは何か」を考えさせる素材としても活用できそうな一冊。久しぶりに面白い小説に出会った。文庫版での再刊行は、より多くの読者に手に取ってほしい良い判断だと思う。

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